■新仔うなぎとは1年以内で出荷された鰻のこと
新仔うなぎは、養殖うなぎの中でも、育ててから1年以内に十分大きくなり、出荷された鰻のことです。 「新仔」というのは、「新子」つまり新しく生まれたばかりの子ども、という意味です。
シラスウナギ漁で鰻の稚魚を採るのが12月~3月ごろですから、大まかに言うと12月までに育った鰻を「新仔うなぎ」と呼ぶことが多いです。
天然の鰻の場合、出荷できるサイズに成長するまでふつう3年~5年くらいはかかりますから、そう考えると通常の倍以上のスピードで早く成長した鰻と言えます。
ちなみに、養殖期間が1年以上経過した鰻のことは「ヒネ仔」と呼びます。「ヒネ」と言うのは各地の方言で「大人びた、古くなった」という意味です。
新仔うなぎはその特徴から、スーパーなどでは土用丑の日の前や当日限定で販売されることが多いです。鰻の中でも競争を勝ち抜いてきた貴重な選りすぐりの鰻のため、お値段も通常の鰻とは段違いです。
ですが、その美味しさは折り紙付き。新仔うなぎにしかない味わいがあります。
■新仔うなぎの味の特徴
新仔うなぎの最大の特徴は、その柔らかい食感です。
新仔は他よりも若く早熟な鰻のため、身が非常に柔らかく、食べたらほろりと口の中で崩れてしまうほど。焼き上げる際も、身が柔らかいため腹が割れて反り返ってしまうこともしばしばです。小骨が細く皮も柔らかい傾向にあるため、新仔うなぎの方が食べやすいとも言われています。
良いことづくしの新仔うなぎ。
もちろん、職人さんや鰻愛好家の皆様の中には、若すぎる鰻は味わいがあっさりしているため、一年以上の時間をかけてじっくりと育てた鰻の身の方が、鰻本来の味わい深さを楽しめるというご意見もあります。
■一度新仔うなぎの味を食べてみましょう
うなぎ界の「精鋭」とも呼ばれる新仔うなぎ。
スーパーなどでは、新仔であることを強調したシールが貼られていたり、商品名に「新仔」といった表記がされていたりと、通常の鰻と区別して販売されていることが多いです。
興味が湧いた方は、ぜひいつもの鰻と食べ比べて違いを確かめてみてください。