天然シラスウナギ生態

長年謎だらけだった天然のシラスウナギ(ウナギの稚魚)の生態。
どこで生まれて、どこから日本にやって来るのか?
日本の研究チームによって本格的な調査が進められ、とうとう2009年に産卵場所が突き止められました。
なんと日本から2000キロ以上も離れたフィリピン東方の太平洋、マリアナ諸島付近でウナギは産卵していたのです。

卵からかえったシラスウナギは北赤道海流と黒潮に乗って、東アジアを回遊します。
11月ごろに黒潮に乗って日本や台湾、中国などにたどり着き、河川を上って成魚のウナギになります。
日本では鹿児島鰻の地元である鹿児島のほか、宮崎、高知、静岡など各地の川を遡上。
毎年12月から春先にかけては河口部でシラスウナギ漁が解禁されます。

2000~3000キロメートルの長旅をしてきたシラスウナギは、川や湖などで5~10年暮らします。
そして成長したウナギは秋から冬にかけて、産卵場所の太平洋・マリアナ海域にむけて長い旅を再びスタートしますが、この旅の工程はよくわかっていないとされます。