ウナギの赤ちゃんとも呼ばれるレプトセファルス(レプトケファルスとも)。レプトセファルスとはどういった生物なのか、またどうしてウナギの成魚ではなく仔魚が注目されているのか、分かりやすく説明します。
レプトセファルスはウナギの赤ちゃん
ウナギやアナゴ、カライワシにハモやウツボの幼生をレプトセファルス(レプトケファルスとも)と呼びます。ウナギの場合では、大きさはだいたい1~6cmほどで、見た目は透明な柳の葉のような形をしています。レプトセファルスの間は、ふわふわと海流に身を任せて漂いながら、マリンスノー(動植物プランクトンの死骸と言われています)を食べて成長していきます。
成魚ウナギになるまで
ウナギは以下のような順番で成長していきます。
卵→プレレプトセファルス→レプトセファルス→シラスウナギ→クロコ→黄うなぎ→銀うなぎ
私たちが蒲焼きなどで親しんでいるウナギのほとんどは、ウナギの稚魚となるシラスウナギを池入れし、養殖して成魚まで育てたものです。そのため、よく漁師の人たちがウナギ漁といって採ってくるのは、よく見知ったウナギの成魚に似た黒い見た目の「クロコ」ではなく、その前の段階の「シラスウナギ」となります。シラスウナギはだいたい5~6センチくらいの大きさとなっており、形はウナギの成魚に似ていますが、色は白く透明な状態です。海で育ったレプトセファルスの幼体が成長し、河口付近で変態するとシラスウナギになります。シラスウナギは潮の流れを利用して川を泳いで上り、下流域までたどり着きます。シラスウナギは餌を食べ始めると体が黒みがかってクロコとなります。現在、通常ではシラスウナギの状態に漁をはじめ、採捕してクロコやヨリシタと呼ばれる状態まで養殖します。そして成魚ウナギとして取引できる重量まで育ったら、出荷するのです。
ウナギは成魚として採れない?どうして絶滅するの?
現代のウナギ漁では、成魚として採ることのできる量、シラスウナギとして採ることのできる量が県や地域ごとに定められています。ニュースなどでたびたび報道されているとおり、現在ウナギは絶滅の危機ともいってもよい状態にあります。これは日本をはじめ中国や台湾など、東アジア地域でウナギの食文化があり、そのため乱獲が相次いでいるためです。ウナギの成魚を乱獲してしまうと次世代につながらず、ウナギの数は激減してしまいます。
近年ではウナギの養殖や制限、環境保全といった対策がされるようになりましたが、未だその効果は小さく、このままでは絶滅してしまうと言われています。現在、日本で消費されているウナギの99.5%以上はシラスウナギを採捕して育てた養殖ものとされています。成魚が減少している今、シラスウナギの採捕も厳しくなっています。